バレエ発表会当日の流れ

バレエ発表会当日の流れの一般例です。バレエ公演アドバイスプランの場合には、この流れに沿ってバレエ発表会の作り方をご提案させていただきます。(前日までの準備を含めたバレエの発表会の作り方の流れはこちらをご覧ください。)

(1)仕込みをします

 劇場入りをすると、舞台監督、照明、音響の各スタッフが仕込みを開始します。リノリウムを敷く作業などは、男手があると楽に進むため、生徒のお父さんが何名か駆り出されるようなこともあります。

 各スタッフは、事前の打ち合わせ通りに仕込みを進めていくため、先生の出番はあまりありません。ただし、間口(袖幕をどれだけ狭めるか/広げるか)や幕などの舞台装置に関する点については舞台監督から先生にこの時間に質問をする場合があります。また、生徒さんが特定の立ち位置についたときにそこにあわせて照明を当てる、といった場合に、生徒さんに来てもらってその立ち位置を確定し、そのあとで照明の位置をあわせる、というようなこともおこないます。

 この時間に、何もやっていないように見えても、音響はサウンドチェックと呼ばれる音の確認をしたり、照明は明かりづくりと呼ばれるシーンをつくる作業をします。(おそらくそういう作業をしていることはあまり先生からは見えていません。)

 裏方スタッフが仕込んでいる時間、生徒たちはメイクをしたり写真撮影をしたりします。なお、写真(カメラマン)は、撮影をおこないますが本番の進行とは関わらないため、特段舞台監督や音響、照明等と関わることはありません。一方で、映像撮影に関しては、稀に音をLINE OUTする場合に、音響と絡む場合があります。

(2)場当たりをします

 仕込みが終わったら、続いて場当たりです。場当たりとは、きっかけ(キュー)を一通り合わせてみる時間のことです。生徒さんがどのタイミングで踊り始めればよいのか、スタンバイすればよいのかといった点や、音響スタッフがどのタイミングで音を再生すればよいのか、照明スタッフがどのタイミングで明かりをつけたり消したりすればよいのか、舞台監督がどのタイミングで幕を操作すればよいのかなどをひととおり実際にやってみて確認します。特に、裏方スタッフは生徒と合わせるのが初めてですので、いくら口頭で説明を受けていたとしてもぶっつけ本番は怖いため、ここで確認しておくのです。

 また、舞台監督がインカムを使って「キュー」を出す場合もあります。例えば真っ暗な舞台に生徒が揃ったら照明を明るくする、というシーンがあったとします。ですが照明を操作するブースからは、舞台上が見えません。そこで、舞台監督が舞台袖から生徒が立ち位置についたことを確認し、インカムを通して照明に伝えるのです。こういったことも、先生からすれば生徒がちゃんとスタンバイしたかどうかはすぐ分かりますが、舞台監督にとってはその立ち位置が正しいのかどうかすぐには分からない場合があります。もちろん事前に通し稽古を見て確認はしているのですが、やはり不安なので一度この場当たりで一通りやってみることが大事になるのです。

 また、生徒たち自身にとっても、稽古場ではなく劇場で踊ってみるのは初めてのことです。例えばどの位置の幕から出るのか、ハケるのかといったことは、頭では分かっていても実際にその場に立ってみないとわからないことがあります。生徒たちがそういった出ハケを確認するのも場当たりの意味の一つです。

 なおここでも、生徒さんの踊りの出来・不出来は気にしません。あくまで「きっかけ」を確認する場になりますので、踊りがきれいじゃないからと、中断するのはやめましょう。

 ただし、裏方スタッフにもの申すことは構いません。例えば、音響の再生タイミングが異なるようであれば言ってもらって構いませんし、照明をつけるタイミングがどうこうとか、そういった要望はここで出してください。

(3)リハーサルをします

 場当たり後、多少の時間をおいて、リハーサルに突入します。ゲネプロと呼ばれることもあります。なお、「多少の時間」の間には、裏方側でも微修正をおこないます。

 リハーサルは、本番と同じように通します。開場して一ベル、二ベルが鳴り、緞帳がオープンし、そのまま上演し、終演で緞帳が下りてきて客電が明るくなるところまで一通り通すのです。

 このときも、生徒さんの踊りの出来・不出来は気にしません。とはいっても、リハーサルを中断しないまでも、先生によってはマイクをもって客席からリハーサルの様子を見学し、途中途中でいろいろなダメ出しをするようなこともあります。

(4)本番

 本番を迎えます。開場前には、受付スタッフと舞台監督とで密に連絡をとり「開場OK」の合図のもとにお客様を劇場内に入れ始めることになります。これは、たまにタイムスケジュールがおして、ぎりぎりまで舞台上で稽古をしていたり、裏方が修正作業をおこなっているときに間違えてお客様が入場してくるのを防ぐためです。

 なお、本番前や本番後などに、ステージ上で全体写真を撮影することがあります。この撮影は、カメラマンさんにお任せします。

(5)バラシ

 本番が終わって緞帳が下りると、裏方スタッフはすぐにバラシ作業に入ります。とても味気ないのですが、本当にすぐにはじまります。まだ客席にお客様がいる状態であっても、緞帳の中では片づけが可能なので、緞帳がおりた状態でも可能な作業からどんどんおこなっていくのです。

 客席からもお客様がいなくなったら(完パケしたら)、緞帳もアップし、すべてを片付けます。

 おそらくこのあいだに、生徒さんたちはロビーでお友達に挨拶をしたり、楽屋でメイクを落としたりしているのですが、その間に舞台はあとかたもなくキレイになります。客席側の片づけなどは受付まわりの方に担当してもらうことになりますが、ステージ上は裏方スタッフの手でモップがけをして片づけ終了となります。

>>前日までの準備を含めたバレエの発表会の作り方の流れはこちら